REDDY 多様性の経済学 Research on Economy, Disability and DiversitY

メンバーの研究

2024年4月

栗原房江

聴覚障害をもつ医療従事者の会 [保健師・看護師]

研究テーマ
聴覚障害をもつ看護学生および看護職の実態把握
障害をもつ医療系学生および医療従事者の修学・就労支援

その研究を始めた理由、きっかけ
これまで、障害当事者として医学的軽度から最重度への聴力変化を経験してきた。
同時に看護学生として学び、看護職として就労してきた。
その過程で我が国における当事者かつ医療従事者への支援の乏しさを痛感したため。

今までの主たる活動・研究
詳しくは、以下をご覧ください。
researchmap

医療従事関連国家資格を有する聴覚障害者の就労実態に関する研究 https://www.reddy.e.u-tokyo.ac.jp/act/employment_for_hearing_impaired.html

最近気になっている問題、または印象深かった出来事など
当事者かつ医療従事者は、絶対的欠格事由のあった数十年以上前から存在していた。
最近、ここ数年のうちに生じた人々であるとみなし、当事者不在のまま、研究(支援)として取り上げる場面を散見するようになった。
障害者差別解消法等に伴う一時的な流行に乗った研究者の業績のための研究(支援)となりかねない側面を危惧している。
当事者は修学から国家資格取得を経て、周囲と同様かつ等しい存在の医療専門職として未来を生きる。
研究(支援)を行う際は、当事者のキャリアや人生への介入は必須と留意され、流行に左右されない継続した取り組みを期待している。

その他、メッセージなど
医療従事関連資格における欠格事由は相対化され、障害者差別解消法や改正障害者雇用促進法が施行されつつも、当事者側から見える世界は依然、厳しく感じられる。
この世界においても、Nothing About Us Without Usのマインドで、周囲との対話を通じて今後のあり方を考えたい。

聴覚障害をもつ医療従事者の会 http://web.jndhhmp.org

栗原房江 エッセイ
「保健師助産師看護師法における相対的欠格事由と障害をもつ看護職」
「四半世紀にわたるICN(International Council of Nurses:国際看護師協会)大会参加の歴史と次世代への襷」