REDDY 多様性の経済学 Research on Economy, Disability and DiversitY

メンバーの研究

2022年6月

瀬山紀子

埼玉大学ダイバーシティ推進センター 准教授 [社会学]

研究テーマ
障害のある女性の困難

その研究を始めた理由、きっかけ
介助などを通して、障害のある女性と関わるなかで、障害のある女性の抱える困難という課題に気づき、問題がもたらされている背景になっている今の社会の課題、特にジェンダー不平等の問題について、より深く考えたいと考え、このテーマに取り組んできました。

今までの活動・研究について
論文には、
「障害のある女性たちとの関わりから (特集 障害者 : 思想と実践) 」 (瀬山 紀子、現代思想 45(8), 166-170, 2017-05)
障害女性の複合差別の課題化はどこまで進んだか : 障害者権利条約批准にむけた障害者基本法改正の議論を中心に」(瀬山 紀子、国際女性 28(1), 11-20, 2014)
「障害女性にとって「働く」ということ (特集 女性と障害)」(瀬山 紀子、ノーマライゼーション : 障害者の福祉 32(2), 22-25, 2012-02)
などがある。
また、現在は、日本学術振興会・科学研究費助成事業採択課題「障害女性をめぐる差別構造への「交差性」概念を用いたアプローチ」に関わっている。
http://www.nabe-labo.jp/wwd/index.html
また、活動としては、DPI女性障害者ネットワークのメンバーとして、調査・提言活動なども進めている。
DPI女性障害者ネットワーク
http://dwnj.chobi.net/

最近気になっている問題、または印象深かった出来事など
今年は、優生保護法の国家賠償請求裁判が始まり、長く、問題を提起してきた一人として、大きなうねりを感じる年になっている。優生保護法の問題については、障害女性を含めた女性のリプロダクティブ・ヘルス・ライツという視点から、今後の動きを注視していきたいと思っています。
関連して、下記の文章を書いています。
「優生保護法が問いかける現在進行形の課題」(瀬山 紀子、女性展望 = Women's perspective 692, 9-11, 2018-05)
同時に、大きな社会問題となっている国や自治体の障害者雇用問題に端を発した課題も、非常に重要な問題として関心を寄せています。

その他、メッセージなど
障害と女性という切り口から、いまの社会が抱えているさまざまな課題があぶり出されると思っています。
今後も、そうした切り口から見えてくる課題を追いかけ、社会的公正さが尊重された、障害の有無や性、そして生き方に中立な社会を作るべく活動をしていきたいと思います。